未来の味覚を育てるやさしい減塩
管理栄養士に、子どもの減塩について伺いました
子どもの食事づくりには、「どこまで味を濃くしていいの?」「大人と同じでいいの?」そんな迷いがつきものです。
そこで今回、N’s KITCHENのレシピも作成してくださっている管理栄養士の古賀圭美先生に【子どもの減塩】について伺いました。やさしい減塩のヒントをお届けします。

Q1. 子どもにも減塩は必要なんですか?
子どもの味覚はまだ発達途中で、大人よりも濃い味に慣れやすいと言われています。幼児期~小学生の間に濃い味が習慣化すると、薄味を「おいしくない」と感じやすくなり、結果として塩分の多い食生活につながります。伺ったデータでは、3歳児の平均摂取量は4.4g、多い子は10g以上。体の小さな子どもにとっては決して少なくありません。
ここで目安を見てみると―
・3~5歳:3.5g未満
・小学生:5~6g程度
・成人:男子7.5g未満/女性6.5g未満
・高血圧学会の推奨:男女とも6g未満
・WHO(世界保健機関):5g未満
こうした基準と比べると、子どもの10g前後という数値は、やはり高め。だからこそ、早めの“やさしい減塩習慣”が子どもの味覚を守る鍵になります。

Q2. お弁当はどうして味が濃くなりやすいの?
お弁当は冷めると味を薄く感じるため、どうしても濃い味付けに。ただし、保存性を高めるために味を濃くするのはほとんど意味がないとのこと。
食中毒を防ぐには10~15%以上の塩分濃度(オイスターソースを舐めたレベル)が必要で、家庭のお弁当では現実的ではありません。つまり、お弁当は味付けよりも、温度管理と衛生管理が大切。

Q3. 塩味の感じ方って、人によって違うんですか?
実際に市販のみそ汁(塩分1%)を飲んでも、濃い・ちょうどいい・薄いと感じ方は人それぞれ。
味の感じ方は、
・味蕾の数
・食習慣
・旨みや香りの組み合わせ
などが影響しています。
味は単独ではなく、旨み・酸味・香り・食感など複数の要素でおいしさが決まる、というのも印象的なポイントでした。

Q4. 家庭でできる減塩のコツはありますか?
伺った内容の中から、特に続けやすいものをまとめました。
具だくさんみそ汁にする
汁が減り、自然と塩分をカットできます。

野菜をプラスする
カリウムが塩分排出を助けます。

だしをしっかり使う
昆布・かつお・煮干し・きのこなどの旨みは、減塩の最強の味方。旨みが強いと、塩を減らしても満足度が下がりません。

香味野菜で香りの満足感を足す
しょうが・ねぎ・にんにく・ゆず・レモンなど。香りや酸味で味の輪郭が出るため、塩を減らしても物足りなさを感じにくくなります。

つける文化を育てる
とんかつはソースをかけるより、つける方が塩分は約1/3。寿司の醤油も、ごはんではなくネタにつけるだけで8倍の差。

めん類はゆで方で減塩できる
うどん・そばはたっぷりのお湯でゆでて塩をぬきます。スパゲッティは家庭では塩を入れずにゆでてもOK。

減塩は「がんばる」ではなく「工夫」で続けられる
子どもの減塩は特別なことではなく、毎日の食事の中でできる小さな工夫の積み重ねだと感じました。だしや香味野菜の力を借りれば、塩を減らしてもおいしさはちゃんと守れます。
味覚はゆっくり育ち、必ず変わっていくもの。毎日の食事の中で、できるところだけちょこっと減塩。その小さな工夫の積み重ねが子どもの味覚を育て、家族の健康もやさしく守ってくれます。
うた

