生きていく力を身につける 東京家政学院の家庭科の授業

生きていく力を身につける 東京家政学院の家庭科の授業

前回のインタビューでは、家庭科をテーマにした「フードデザイン入試」について、東京家政学院中学校・高等学校の中野実香先生にインタビューをさせていただきました。今回は、中高での家庭科の授業、特に食に関する部分についてお話をお伺いしていきます。

Q1. 貴校の家庭科の授業の特徴について教えてください

生徒たちには、中高の家庭科の授業をとおして「生きていく力」を身につけてもらいたいと思っています。家庭科がカバーする範囲は本当に広く、食に加え、被服、保育、情報、消費者教育、高齢者のことまで学びます。すべてが生きることにつながりますので、カリキュラムに入れていますが、食については誰もが一生関わっていくことですし、食に関わる進路を選択する生徒も多いので、特に力を入れています。それから、体験や実習の時間は他校と比較して多いと思います。高校で管理栄養進学コースに進むと、調理実習はもちろん、栄養について本格的に学びます。

Q2. 調理実習について教えてください

中学では毎年調理実習を行います。調理実習の後の長期休暇には同じメニューを家でつくって家族に食べてもらうという宿題があり、写真とコメントを提出してもらいます。学校ではグループで協力して調理を進めるので、作業を分担できますが、家だと全工程を自分がしなくてはならないため、思った以上に時間がかかりします。そうすると、生徒は洗いものなどの手順も含め、効率的な進め方について考えるようになるようです。また、お父様が食べて感動したとか、おばあちゃまに食べてもらったとか、親戚も含めて10人分作ったとか、ピーマンがきらいだった弟が食べてくれたとか、レポートにはさまざまなエピソードが出てきます。これがきっかけで、仕事で帰りが遅い保護者の方に代わって自分が食事をつくる生徒も出てきます。技術習得はもちろんのこと、家族に作ってあげようという、その気持ちが優しいですよね。

【中学の調理実習のメニュー】

中1 炊き込みご飯、ほうれん草の卵とじ、煮込みうどん、けんちん汁
中2 ハンバーグ、コーンスープ、おいなりさん、アップルパイ、りんごのむき方テスト
中3 幼児食としての蒸しパン、ゼリー、ミネストローネスープ

調理実習の様子
調理実習後、自宅で料理をした時のレポート

Q3. 学んだことが日々の暮らしに役立つのですね。そのほかにはどんな実習がありますか

中1はまず、調理実習に使うかっぽう着を自分でつくり、中学3年間の調理実習で使います。生徒は大きな布を裁断するところから初めてで、パーツに切り分けてからもどのパーツをどこに使うのかわからないなど苦労していますが、出来上がるととてもうれしそうです。

調理で使うバンダナも自分たちで刺繍をします。世界に一つしかない、オンリーワンのものが出来上がるので、愛着がわくようです。

中1でつくるかっぽう着
生徒が刺繍をしたバンダナ

中3ではアクリルたわしを作ります。アクリル毛糸を使い、指あみで紐をつくって、さらにそれを四つ編みにして完成させます。完成すると、それを使って自宅の掃除をしてくることが宿題になります。

アクリルたわし

Q4. 設備についてはいかがですか

他の学校と比較して充実していると思います。調理室は2つあり、それをつなげて広い空間にしているので、このコロナ渦でも距離を保って調理実習ができています。ミシンも一人1台ありますので、待つこともなく、効率的に作業を進められています。

お話を伺い、すべての授業が、その後の授業や日々の暮らしにつながっていることがよくわかりました。卒業後、食や保育の分野に進む方にはもちろん、それ以外の分野に進む方にとっても、将来に役立つ学びになっていると感じます。お話を聞かせていただき、ありがとうございました。

中野実香先生

埼玉大学教育学部卒業
本校の非常勤講師を経て、家庭科の専任教諭として勤続29年目
現在高校3年生担任・学年主任、進路指導係、料理部顧問

東京家政学院中学校・高等学校

東京都千代田区にある、私立女子中学校・高等学校。
女性が家政学を学び、その技術を家族だけでなく広く社会に貢献できるようにと創立された。卒業生は家政系はもちろん、幅広い分野で活躍している。
東京家政学院中学校・高等学校ホームページ

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