冷めてもおいしいお肉は?

できたてのお料理と、冷めたお料理とでは、味や食感が違うと感じたことはありませんか。


それには色々なことが影響しているのですが、今回は、お肉の固さという点でご紹介をします。
肉は十分に加熱すると組織が壊れてやわらかくなり、肉に含まれている脂肪も溶け出して、なめらかな口あたりになります。この脂肪が溶け出す温度は、肉の種類によって違うそうです。

下の表を見てください。肉の種類と融点(溶ける温度)をまとめたものです。
この肉の融点が体温より低いと、冷めたお肉でも口に入れると脂肪が溶けてなめらかな口あたりがもどるのですが、融点より体温が高いと、脂肪が溶けず、すこし固い食感になります。
人の体温が大体36℃~37℃なので、馬、豚、鶏はさめてもおいしい、牛、羊は他と比べるとちょっと、ということになるでしょう。
個人的には脂肪がうっすら白く浮き出している牛肉、好きです。おいしさって人それぞれの好みによるものですから。ただ、口あたりを大切にしている方はぜひ参考になさってください。
(文:たび)
食肉脂質の性質
種類 | 融点(℃) |
牛 | 40-50 |
馬 | 30-43 |
豚 | 33-46 |
羊 | 44-55 |
鶏 | 30-32 |
「肉の機能と科学(朝倉書店)」よりデータ抜粋
