新たな味の世界 からしでいただく島寿司
最後の晩餐はお寿司一択のN’s KITCHEN(エヌズキッチン)編集部の海鮮マニアきなこです。
基本、自宅警備員ひきこもり体質ですが、安くて美味な海鮮があると聞けば、遠征も厭わない…こんなにも愛しているのに、ごめんなさい、ワサビが食べられないお子ちゃま舌なのです。
そんな私が八丈島の郷土料理「島寿司(しまずし)」を紹介いたします。
島寿司と普通のお寿司の大きな違い…それは、ワサビでなくからしが使われているのです。
ここで、島寿司のレシピを紹介します。
寿司ネタを薄く切り醤油主体のたれに軽く漬けて醤油漬とし、砂糖でやや甘味を強くした酢飯で握る。
この際、ワサビの代わりに練りがらし(粉がらしを練ったもの)を使うのが特徴。
島で水揚げされるカジキ、シイラ、イサキ、カンパチ、メダイ、オナガダイ、アオゼ、キンメダイ、マグロ、カツオ、トビウオ等が使用される。伊豆諸島南部及び八丈島からの移住者が多い小笠原諸島でも作られており、小笠原ではサワラを使うのが一般的。
伊豆諸島では温暖な地域で寿司を食べるために明治以降に独自の技法が発達。
ワサビの代わりにからしを使うのは、八丈島や小笠原諸島でワサビが手に入らなかった時代の名残りだそうです。
筆者はツーンとするワサビは食べられませんが、むしろ、からしが使われている島寿司の方が辛いかもしれません。
八丈島の海は温かいのであまりお魚に脂がのっておらず、淡白なお味です。その味と、からしは絶妙に合っていました。
余談ですが、八丈島は高校の卒業旅行で訪れた際、同行したメンバーが海鮮NGだったため、島寿司を堪能できず、数十年それを悔やんで生きてきました。が、とうとう数年前、一人旅で島寿司をリベンジできる時がやってきました。約一週間の滞在期間ずっと島寿司を堪能していました。どんだけ~。
島寿司は、八丈島に行かずとも伊豆諸島の郷土料理のお店で食べられる事もできるようです。
が、淡白なお魚がご自宅にありましたら、ぜひ一度、島寿司のレシピで握ってみてはいかがでしょうか。からしでお寿司をいただく、新たな味の世界にぜひ出逢ってください。
(文:きなこ)