さかなへんと春夏秋冬
日本には、さかなへん(魚編)の漢字が多くありますね。これは、日本が海に囲まれた島国で、魚が生活に深くかかわっているからだとも言われています。
中国では、馬に関わる文字が多くあります。「1歳の馬」「2歳の馬」「3歳の馬」「8歳の馬」を表す1文字の漢字がそれぞれ別にあるのです!これはきっと、昔の中国では馬が生活に欠かせないものだったということも関係しているのでしょう。
では、さかなへんの漢字についてクイズです。
次の4つの漢字のうち、存在しない漢字がひとつあります。それはどれでしょうか。
ア.「さかなへん」に「春」
イ.「さかなへん」に「夏」
ウ.「さかなへん」に「秋」
エ.「さかなへん」に「冬」
正解はイ「さかなへん」に「夏」です。
アは「鰆(さわら)」と読みます。西京焼きでもおなじみの白身魚です。
ウは「鰍(かじか)」と読みます。ゴリとも呼ばれ、石川県にはゴリ料理という郷土料理があります。
エは「鮗(このしろ)」と読みます。出世魚のひとつで、7~10cmほどのものをコハダと呼びます。寿司ネタでは定番の光り物ですね。鮗は15cm以上のものを呼ぶそうです。
「さかなへん」に「夏」という漢字だけは存在しませんが、代わりに「暑」なら「鱪(しいら)」という字があります。赤身魚ですが、鮮度の維持が難しく、あまり流通していない魚です。
この魚たちを表す漢字に、なぜ「春暑秋冬」が使われるのかは想像できると思います。その時期によく獲れる、または旬を迎えるから、ですね。
同じような字の作られ方をしている魚には、次のようなものがあります。(いずれも一説です。)
「鰤(ぶり)」……「師」走、12月の時期によく獲れるから
「鯵(あじ)」……「参」、3月によく獲れるから
「鱩(はたはた)」……寒「雷」が鳴る季節によく獲れるから
魚にも、もちろん野菜や果物にも旬があります。おいしいものがよりおいしい時に味わっていきたいですね!
(文:編集部)