逗子開成 風間啓一先生 × N’s KITCHEN #4-2

取材しました その2
男子校、逗子開成中学校・高等学校の食育とは

神奈川県逗子市にある、逗子開成中学校・高等学校。

前回はコロナ休校中の企画「ZUSHI KAISEI COOKING – 男子校ごはん -」をご紹介しました。普段は学校でどのような食育が行われているのでしょうか。引き続き、風間先生にお話を伺いました。

Q1. 普段の学校の授業で、生徒さんが調理にかかわられるシーンはありますか

中学1年生と高校1年生の2学年で、調理実習を行っています。中学1年生は、まず包丁を使うところからスタートします。そして材料をひたすら細かく刻んで、ミネストローネスープや、キーマカレー、ミートソースなどを作ります。1食分多く作って、担任の先生にふるまってくれますね。また、中学1年生は7月末の林間学校でカレーを作るので、事前にカレーのレシピを調べて自宅で作ってくるのが宿題になっています。これまであまり料理をしてこなかった生徒はかなり苦労するようですが、いつも食事を作ってくれる家族の方のありがたさを実感する良い機会となっています。

高校1年生の調理実習では、和食、洋食、中華、和菓子、洋菓子を一通り作ります。内容は中学生と比べるとかなり複雑にはなりますが、高校1年生になるとだいぶ手つきも安定してきて、安心して見ていられるようになります。1食分多く作って担任にもふるまってくれるのですが、味もおいしいです。

座学でも栄養素について一通り学びます。生徒によると、家庭科の試験がすごく難しいそうで、食の知識もしっかりと得ているのではないでしょうか。また、以前は料理同好会がありましたね。キッチンのある多目的スペースを借り、食材を持ち寄って自分たちで作ってみたい料理を作る、という活動をしていました。いずれは料理部も作りたいですね。

Q2. 生徒さんの食への関心はいかがですか

本校の食堂は、生徒の興味をそそるようなメニューが多いので、「あのメニューがおいしかった」と食べた生徒から情報が伝わると他の生徒も食べに行く、というような動きはよく見かけますね。食堂では多くのメニューがテイクアウトもできるので、混雑している場合はテイクアウトにして教室で食べたり、海岸で食べたりしています。唐揚げやポテトなどのスナックメニューも充実しているので、お弁当をもってきていても、追加で買って食べている生徒もいます。

食堂のメニューは、男子中高生なので、ボリュームを多めにしています。揚げ物が人気なので、揚げた後に一度オーブンに入れて油を落とし、よりヘルシーな状態で食べられるようにしています。10分の休み時間にお弁当を買いにくる生徒には、すぐに提供して授業に遅れないような工夫をしています。厨房のチーフが、自宅の菜園で育てた野菜を提供してくれることもあります。オリジナルメニューも豊富ですし、ハヤシライスなど生徒の要望で追加されたメニューもあります。高校3年生は12月から自由登校になるのですが、最後、高校3年生の思い出のメニューリクエストに応えてくれたり、生徒のリクエストで、フェアトレードの食材を使ったり、生徒の活動に協力してくれますね。

また、パン販売コーナーもあるのですが、これもすごい人気で、いつもあっという間に売り切れてしまいます。

◇食堂メニュー。男子校らしく、ボリュームがあるメニューが多いです。期間限定メニューなど色々な味を楽しめる工夫がされています。

Q3. お弁当の生徒さんたちは、どんなお弁当を持ってこられるのでしょうか

お弁当箱のサイズは、生徒によってさまざまですが、運動部の生徒は大きいものを持ってくる傾向にありますね。野球部で、おそらく3合分くらいの白米をタッパーにつめて持ってきている生徒もいます。おかずは、焼き肉やからあげなど、肉系が人気ですね。自分で作ってくる子もいます。

お天気の良い日は海岸でお弁当を食べるのもいいですよ。本校は、海に隣接していて、休み時間には自由に海岸に出てよいことになっています。

取材させていただいた日（4月下旬）も、たくさんの生徒さんたちが、海辺でお弁当を食べていました。海のすぐ近くで、ヨットの授業もある学校。とても素晴らしい環境ですね。

逗子開成中学校・高等学校