家庭科がテーマ。東京家政学院の「フードデザイン入試」って?

家庭科がテーマ。東京家政学院の「フードデザイン入試」って?

みなさんは中学入試の科目というと、何が思い浮かびますか。国語、算数、社会、理科などかもしれませんね。最近の傾向として、英語やプログラミングなども増え、試験の方法も多様化しています。今回はその中でも特に珍しい、家庭科がテーマとなった入試について、東京都千代田区にある東京家政学院中学校・高等学校の中野実香先生にインタビューをさせていただきました。

【フードデザイン入試の概要】

実施日:2月1日午後
時 間:70分
内 容:実験型の授業と、グループ(もしくはペア)ワーク、発表
テーマ:小学校家庭科の食生活の分野
詳しくはこちらをご覧ください。

Q1. 「フードデザイン入試」はいつからスタートしたのですか。また、なぜ家庭科がテーマとなったのでしょう

フードデザイン入試は、2020年入試(2020年2月1日実施)からスタートし、これまで(取材時は2021年10月)2回、実施をしています。もともと別の日程で、アクティブラーニング型の入試(試験の中で生徒が発表するなど能動的な動きをする形式の入試)をしていて、2020年入試から、そのテーマを家庭科にしたので、よりわかりやすい名称にしようということになり「フードデザイン入試」としました。本校は家庭科教育を重視していて、総合的に生きていく力を身につける教育方針となっていますので、本校の特徴を入試を通して知っていただきたいと思い、家庭科をテーマとしました。

Q2. 試験では、どんな力を見るのですか。また、どんな内容なのでしょうか

身近な生活のこと、特に食生活に興味を持っているかどうか、また、食材の調理方法や活用方法について考察し、自分なりの意見を発表できるかどうかを見ています。入試の由来にもなっている、食に関わること(フード)から、考えを組み立てていく(デザイン)力ですね。扱うテーマは、小学校の家庭科での履修内容を前提に、小学生に身近なものを選びます。例えば、1年目のテーマは卵でした。卵をゆでる時に、お湯の温度や時間によって、温泉卵、半熟卵、固ゆで卵のように、出来上がりが変わりますよね。

試験ではまず、その3種類の卵の出来上がりと、それぞれがつくられている動画を見ます。さらに、ゆでる温度と時間のデータを渡して、どの温度と時間の組み合わせだとどの仕上がりになるのか、なぜそうなるのかを考えていきます。

左から 温泉卵、半熟卵、固ゆで卵

Q3. 考えたことは、どのように発表しますか。また、どのように採点するのでしょうか

考えがまとまったら、まずはそれぞれがワークシートに記入します。その後、2-3名で内容を共有し、それをもとにグループで話し合いをし、ポスターにまとめて発表をします。最終的にはワークシートとポスターを提出してもらうので、その内容と、話し合いから発表までの受験生の動きを私たちがチェックして、点数をつけます。ワークシートでは、データを読み取る力、文章を書く力などを見ます。また、試験中の受験生の動きでいうと、初対面の相手にどうやって話しかけるか、お互いを尊重しながら話し合いを進めているか、どうやってリーダーシップを発揮するか、ポスターをまとめ、発表する様子はどうか、役割を分担するなど、協力してやっているかを見て、総合的に評価します。

Q4. この試験に合格して入学された生徒さんは、どんな様子ですか。

この試験に合格して入学した生徒は、家庭科の授業でも積極的に発言したり、他の生徒を助けたりしてくれていますね。コミュニケーション能力が高いんだと思います。また、この試験に合格したある生徒は、入試を通して新しい学びを経験できるのが楽しかったと言っています。家庭科が理科や算数、社会にもつながっていることに気が付き、驚いたようです。

Q5. 2021年入試はどんなテーマでしたか。

2021年入試のテーマは、お米と、酸性・アルカリ性についてでした。まず精米したお米の形を自分の想像で考えて描き、その後実物を配って観察し、再び描いてもらいました。その後、紫キャベツ液に色々なものを混ぜる実験を見せて、色が変わる法則を予想、ワークシートに記入します。さらに食品ごとのpH(ペーハー)表を渡し、さきほど考えたことをもとに食品と紫キャベツ液を組み合わせた時の色の変化を予測し、グループで話し合い、発表しました。紫キャベツ液の実験は、色の変化がわかりやすく、とても鮮やかな色が出るので、子どもたちも興味深々でした。

2021年入試 お米のワークシート
2021年入試 紫キャベツ液についてのポスター

Q6. 2022年試も楽しみです。受験生へのメッセージをお願いします。

小学生のみなさんには、食について意識的になってほしいと思っています。普段何気なく食べている食材も、注目してみると、そこから色々なことを考えられます。食(しょく)って生活や、様々な分野につながる、とっても奥深く、楽しいものです。この機会に食に興味を持ってみませんか。

中野実香先生

埼玉大学教育学部卒業
本校の非常勤講師を経て、家庭科の専任教諭として勤続29年目
現在高校3年生担任・学年主任、進路指導係、料理部顧問

東京家政学院中学校・高等学校

東京都千代田区にある、私立女子中学校・高等学校。
女性が家政学を学び、その技術を家族だけでなく広く社会に貢献できるようにと創立された。卒業生は家政系はもちろん、幅広い分野で活躍している。
東京家政学院中学校・高等学校ホームページ

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