知っているようで知らない出世魚の代表格ブリ(鰤)

知っているようで知らない出世魚の代表格ブリ(鰤)

『出世魚(しゅっせうお)』とは稚魚から成魚までの成長段階において異なる名前を持つ魚のこと。

江戸時代までは武士や学者には元服および出世などに際し改名する慣習があり、その慣習になぞらえ「成長に伴って出世するように名前が変わる魚」を出世魚と呼んでいたそうです。「縁起が良い魚」と解釈されて門出を祝う席など祝宴の料理に好んで使われ、ブリ・スズキ・ボラなどが代表的。銀行家でもあり民俗学者の渋沢敬三氏の『日本魚名の研究』によると、成長とともに名前を変える魚は82種類(ギョギョっ)いるそうです。

まず、最も多く名前のあるブリからご紹介します。ブリは、スズキ目アジ科の魚。漢字の「鰤」は、ブリの旬である師走の寒ブリに脂がのり、特に美味しくなることから、「師」と「魚」を組み合わせたと言われています。また、「脂がのっている魚」がなまった結果「身が締まってブリブリしている」など、諸説あるそうです。ブリの旬は12月頃で、最も脂がのって美味しくなり「寒ブリ」と呼ばれています。

成長するにしたがって名前が変わり、4年で全長70cmくらいに成長し、それ以上を「ブリ」と呼びます。

基本的なは名前、稚魚の順から「モジャコ」→「ワカシ」→「イナダ」→「ハマチ」→「ブリ」と呼ばれます。関西では「ツバス」→「ハマチ」→「メジロ」→「ブリ」、九州では「ワカナゴ」→「ヤズ」→「ハマチ」→「メジロ」→「ブリ」→「オオブリ」

各地では、山形「アオコ」→「イナダ」→「ワラサ」→「ブリ」、静岡「ワカナゴ」→「イナダ」→「ワラサ」→「ブリ」、福岡「ツバス」→「ヤズ」→「ワラサ」→「ブリ」、などなど挙げきれないほどの名前が!それだけ、日本人になじみが深く、広く愛された魚ということなのでしょう。

「モジャコ」は、ブリの稚魚。実はブリは「臆病な魚」といわれ、稚魚のころから海藻に隠れながら生活を送っており、このような生体からモジャコ(カワユスwww)と呼ばれているそうです。

「ワカシ」は、体長が10~30cm。

「イナダ」は、約30~60cmの体長、ハマチやブリと比べると脂が少なく、さっぱりした味わい。イナダは天然ものを指して呼ぶ傾向があります。

イナダ

「ハマチ」は、60~80cmほどの体長になり、地域によっては30~40cmのものを指します。別名「ワラサ」とも呼ばれます。最近は養殖ブリをハマチと呼ぶ傾向もあり、これは養殖ブリが旬を問わず安定供給されるため、ブリ養殖が盛んだった西日本の「ハマチ」という名前が全国に普及したようです。回転寿司などのハマチは、大きさにかかわらず養殖のブリのことを指しているそうです。

ハマチ(別名ワラサ)

「ブリ」は、成魚で最も脂がのった状態。基本的に80cm以上のものを指しますが、地域によっては「オオイオ」や「ドタブリ」とも呼ばれています。成魚に向かうほど脂の乗りや旨みも増しますが、刺身や寿司ネタとしてはイナダ、ワラサ、ハマチがいいという人も多いようです。

ブリ

N’s KITCHEN編集部の食いしん坊きなこの激推し調味料は、塩レモンです。(塩レモンとは、レモンを塩に漬けて、熟成させたもの。)ブリといえば、照り焼きがド定番ですが、塩レモンでいただくとブリの脂を中和し、さっぱりといただけます。

皮の部分に塩レモンを少し大目に塗り、そこをバリバリパリパリ焼いて召し上がってみてください。絶品ですぞ~(書いてたら涎がぁぁぁ…)密かに鶏皮のようにブリの皮だけ売って欲しい魚の皮大好き人間でした。

きなこ きなこ

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