ジェラートとソフトクリームの違いを深掘り

ジェラートとソフトクリームの違いを深掘り

アイスクリームは成分により省令上『アイスクリーム』『アイスミルク』『ラクトアイス』『氷菓』の4種類に分類されます。(詳しくは以前のコラム「アイスクリームの種類を深掘り」をご覧ください。)

今回は、更に深掘りしてジェラートとソフトクリームの違いをお届けします。少し長いですが、お付き合いください。

ジェラートは、イタリア語で「凍った」という意味を持つ氷菓。つまりアイスクリームとジェラートの違いは、英語かイタリア語かだけで、意味に違いはありません。しかし、日本ではアイスクリームとジェラートを分別しているのでさらに掘り下げて行きますぞ~。

ジェラートの発祥はフィレンツェ。

果汁、果肉、牛乳、砂糖、時にはコーヒーや香草などを混ぜた物を凍らせて作られます。一般的なアイスクリームと比べて果汁や果肉をふんだんに使っている場合が多く、空気含有量 オーバーラン(材料を混ぜながら空気を抱き込んで冷やし固める際の空気の割合)がアイスクリームよりも20~40%未満と少ないために密度が濃く、ねっとりとしたミルクの重みを感じる味わいになります。

また、乳脂肪分は4~8%で、一般的なアイスクリームの乳脂肪分8%以上より比較的低カロリー。そのため、日本の乳及び乳製品の成分規格では『アイスクリーム』ではなく『アイスミルク』(乳脂肪分3~8%未満)、もしくは『氷菓』に分類される可能性が高いということになります。

オーバーランが50%になるということは、単純に100の味が半分になるということで、味自体は薄くなりますが、そのかわり空気が多く入る事でふんわりとした食感になります。1リットルの材料に対してオーバーランが100%の場合、完成したアイスクリームは2リットル分ということになります。逆に空気を入れずオーバーランがない状態だと、ふんわりせずガッチガチに固まります。(へぇ~)

一般的にオーバーランが低すぎると、味は重くなり、風味がくどく、口のなかでの溶けも悪く、組織も粗く硬いものとなります。逆にオーバーランが高すぎると気泡が大きくふかふかした食感で空気が多いため風味も弱く、冷たさも少ないものとなります。作りたてのソフトクリームやジェラートがふんわりしているのは、オーバーランが多い状態だからなのです。時間が経つと空気が抜けていくので、作りたてが最もふんわりとしいるそうですよ。作りたての極上ふんわりを想像して、口の中がジュワワワーっとしてきましたぁああ。

ちなみに、ソフトクリームは牛乳や乳製品などの主な原料や作り方は、アイスクリームとほとんど同じです。省令上の分類ではなく、工程上におけるひとつの呼び方だそうです。よって、ソフトクリームもアイスクリーム類の一種であり、その成分によって、『アイスクリーム』『アイスミルク』『ラクトアイス』に分類されます。

では、アイスクリームとソフトクリームは何が違うかというと、温度オーバーランなのです。

アイスクリームは容器に詰めてマイナス30℃以下で急速に固め、マイナス25~30℃で保管され、店舗ではマイナス18℃以下で販売しています。ソフトクリームの製品温度はマイナス5~7℃で、アイスクリームのように固めないでそのまま食べるものです。この温度の違いが味に変化をもたらし、アイスクリームよりも空気を多く含むように製造されており、それがやわらかさと風味の違いを生みます。

ここで、豆知識。

ソフトクリームという名前は和製英語なので海外では残念ながら通じません。英語ではsoft serve ice cream(ソフトサーブアイスクリーム)です。出来るだけ短くわかりやすい表現にしようと「serve」と「ice」を省略し、「ソフトクリーム」と命名されたようですよ。

N’s KITCHENを通して、アイスクリーム博士になりつつあある?きなこは、最近アイスクリームメーカーを購入しました。手作りアイスクリーム、フローズンヨーグルトについて後日レポートさせていただきますね。アイスクリームメーカーに添付されていた砂糖たっぷりレシピはスルーして、糖分を極力軽減させてどこまで美味しく作れるか、現在実験中です。

きなこ きなこ

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アイスクリームの種類を深掘り

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