高たんぱく低カロリー お麩は良質食材だった
筆者のお麩のイメージはお吸い物で浮かんでる物体。彩り的な役割で、それ以上でも以下でもない。あってもなくてもさほど気にしことがない。
で・す・が、お麩について調べてみると・・・侮っていてすみませんっっ!と平謝りの気持ちになりました。
まず、先に90種類以上(!)あると言われているお麩の種類からご紹介します。大きく「生麩」「焼き麩」「揚げ麩」3つに分類されます。
「生麩」は、グルテンにもち粉または小麦粉を加えて練り、蒸すか茹でて作られます。
「焼き麩」は、生麩にでんぷんや膨張剤を加えて練り、形を整えて焼いたもの。一般的に丸い切り口の一口サイズをしており、スーパーで販売されているポピュラーなものです。「焼き麩」を棒に巻いて焼いてバウムクーヘンのような作り方をする「車麩」もよくスーパーでみかけますね。
「揚げ麩」は、生麩に味をつけて揚げたもの。
全国各地には、これだけでは当てはまらない様々な製法があるそうです。旅先でその地ならではの地域に根付いたお麩を見つけるのも楽しそうです。前述の車麩は、煮ても形が崩れにくく、様々な料理にアレンジしやすい食材です。
筆者は、パンの代用でフレンチトーストを作りましたが、もちもちした食感で美味でした。車麩ではなく普通の一口サイズの焼き麩でも簡単に作れますので、ぜひお試しください。
居酒屋さんのメニューでもたまに見かけるの生麩の田楽焼き、私は食べたことないですが(ないんかーい!)これもめちゃくちゃ美味しそうです。ジュル
また、昭和の駄菓子の代表格であるふ菓子(麩菓子)は、約30cmほどの棒状の麩に、黒く色づけした砂糖と飴を染み込ませたものです。筆者はド昭和の人間ですが、一度しか食べたことがなくパンで作られていると思っていましたが、お麩で作られているんですね~。パンなのになぜ「ふ」という名称なのか疑問をいだいていましたが、やっと解決しました。(商品名から察しろという話ですが…)
さて、ここからは、大注目の栄養素についてご紹介します。
お麩は小麦粉を主原料とした加工食品。小麦粉と水を混ぜて練り固め、その生地を水の中で揉むと、水にでんぷんが溶け出し、生地はどんどん小さくなります。最終的に水が白く濁らなくなるまで揉むとクリーム色のチューインガムに似たものが残ります。これがグルテンです。
つまり、小麦粉-でんぷん=グルテン(植物性たんぱく質)となります。
低GI値(食後血糖値が上昇するかを食品ごとに評価したもの。70以上だと高GI食品、55以下が低GI食品となる)、ローカーボ(糖質制限)、グルテンフリーが昨今注目されており、小麦粉を避ける傾向にありますが、お麩は植物性たんぱく質豊富で、ナトリウムやカルシウム、リン、鉄、亜鉛といったミネラルが凝縮。平均的なお麩100g中の炭水化物量は57g、カロリーは379.1kcal、と数値的には高いですが通常100gもの麩を食べることはなく、焼き麩1個分(2~3cm)の重さは約0.5g。水で戻すと3倍以上にカサが増えるので、実際のカロリーは3割以下となります。
また、たんぱく質は、健康を維持していくにあたっては欠かすことができないものです。筋肉、肌、髪を作るたんぱく質は、必須栄養素です。
良質なたんぱく源であるお肉は脂肪分がデメリットですが、お麩は脂質はごくわずかしか含まれません。味噌汁などにいれることでお麩が膨張し、食べ過ぎ防止につながります。
さらに、アミノ酸の一つであるプロリン(乳製品や大豆などにも豊富なアミノ酸)が多く含まれます。プロリンは皮膚に潤いをもたらす天然保湿成分として最も重要なアミノ酸のひとつで、角質層に潤いを与え、コラーゲンを修復する働きがあり、肌荒れ改善に効果があるといわれています。
ここまでお読みいただき、いいことづくめ!お麩しか勝たん!お麩毎食食べる!とう気持ちが高まりますが、ここで注意が必要なのです。
小麦は、食物アレルギーの第3位に位置する重要なアレルゲンなので、小麦アレルギーの方は残念ながら避けるべき食材です。また、悲しいことに食べ過ぎて体調不良を起こす可能性もあるので、小麦アレルギーのない方も注意が必要です。過剰摂取は控えるべきですが、いろんな食材と組合わせ、手軽に栄養バランスの取れた食生活を楽しみましょう。
きなこ