花の名前がつく食べ物
もち米をあんこでくるんだ伝統的な和菓子が、「ぼたもち」と「おはぎ」という2つの名前を持っているというのは、有名な話ですね。春のお彼岸には春に咲く花「牡丹(ぼたん)」になぞらえて「ぼたもち」、秋のお彼岸には、秋に咲く花「萩(はぎ)」になぞらえて「おはぎ」という名前がついています。黒くて丸いこのお菓子、どちらの花にも似ていないのがちょっとおもしろいですよね。
さて、このぼたん、他の食べ物にも登場するんですよ。
「ぼたん鍋」の意味は、次のうちどれか知っていますか。
1. キムチ鍋
2. 猪肉の鍋
3. 鮭の鍋
正解は2「猪肉の鍋」です。
猪と牡丹、これも似ていないように思えますが、この由来は何でしょうか。
これにはいくつか説があるようです。
ひとつは、鍋に入れる猪肉を薄切りにし、牡丹の花に似せて皿の上に盛りつける事に因んでいるという説。もうひとつは、江戸時代に広まったかるた、花札の絵札の中に牡丹と猪が描かれている札があるので、暗号のように使われたという説です。お肉でいうと、馬肉も「さくら肉」の別名を持ちます。ゆでるときれいなピンク色だから 桜の咲く季節においしいから、などの説があります。
昔の人は「○○の花みたいだなあ」「○○の花が咲く季節だなあ」と、ことあるごとに花を思い起こしていたのでしょうか。素敵な感性ですね。N’s KITCHENも、季節感を忘ない更新を目指していきます。
はこ