同じもの?違うもの?
皆さん、お彼岸の時にアレ食べましたか?もち米をあんこで包んだアレです。そう、ぼたもちです!
ここで疑問に思った方もいるかと思います。私が食べたのはおはぎだぞ?と。
実はこのふたつ、材料には違いがまったくありません。春のお彼岸の時期は牡丹(ぼたん)の花が咲くのでぼたもち、秋のお彼岸の時期には萩(はぎ)の花が咲くのでおはぎというのです。
実は夏と冬でも別の呼び方があり、夏には夜船(よふね)、冬には北窓(きたまど)といいます。どちらの名前も、この餅がもち米を搗かずに作ることから、お餅の「搗(つ)きがない」と「月がない」をかけた言葉遊びから名づけられています。
このように、食べ物には違う名前でも同じものがあれば同じ名前でも違うものもあります。
例えば、有名なのはお雑煮。
関東と関西では角餅か丸餅か、汁はすましか味噌か、などの違いがあります。また、ぼたもち・おはぎにも違いが出てくる場合があり、きなこをまぶしたり、こしあん・つぶあんが使い分けられたりします。この違いは食材が採れる時期や地域、または文化の違いによる考え方や言い伝えによって生じてくるのです。
現代では昔ほど各地域で採れるものが違ったり、人の考え方にそれほど大きな差はなかったりします。また、食材もほとんどのものが一年中流通し、調理の仕方もその時期独特といえるものは少ないでしょう。そういった昔はあったが今はないものを現代まで受け継いできているものの一つが食べ物なのです。
食事をするとき、そういったことを感じながら食べると、また違ったおいしさがあるかもしれませんね。
編集部