スープジャーの秘密、うかがいました vol.2
サーモス株式会社 社長室 ブランド戦略課 小長井 早紀さんにサーモスのスープジャーの秘密を伺う第2回です(過去のコラムはこちら:vol.1)。今回はスープジャーの使い方についてです。
2022年5月取材・文N’s KITCHEN編集部
すぐに実践できる、スープジャーの効果的な使い方
Q. 保温効果を高めるためのコツはありますか
保温効果を高めるためには、しっかり予熱をすることが大切です。スープを入れる前にスープジャーに熱湯を注いで、蓋をしないで2-3分置いておくことで、スープジャー内部が温まり、保温効果を高めてくれます。熱湯は少量でも十分予熱効果があります。一般的に冷えた容器に温かいものを入れた直後は一番お湯の温度が下がるため、一時的に減圧状態が高まり蓋が開かなくなる場合があるため、蓋はしないで予熱をしてください。
また、スープジャーに入れるスープをしっかり温めていただくのもポイントです。大きめの具材入りのスープで、その具材の芯が温まっていないと、スープがぬるくなってしまいますので、しっかり温めた上で入れることをおすすめします。
断熱材が入っているスープジャー専用ポーチに入れると、さらに保温効果が高まります。温かい空気は上に上がるため、蓋には断熱素材を入れていますが、ステンレス製魔法びん構造ではないため、スープジャーの熱は蓋の部分から逃げてしまいます。 そのため、ポーチは蓋の部分が一番厚くなっていて、熱を逃げにくくしています。
Q. スープジャーの耐用年数はどのくらいですか
スープジャーの耐用年数は特に定めがなく、丁寧に使っていただければ何年も使えます。保温や保冷機能が弱くなってきたな、と感じたら、中に熱湯を入れてしばらく置いてみてください。スープジャーの外側が熱くなってしまったら、保温不良になっている可能性があるので、使用を中止してください。また、中身が漏れてしまう時は、パッキンがダメになっている可能性がありますので、パッキンを交換してみてください。パッキンは消耗品なので、1年に1度はチェックしていただき、必要であれば交換してください。
Q. 夏にも温かいスープを持っていっても良いのでしょうか
スープジャーは真空断熱構造で外気温の影響を受けにくくなっていますので、温かいものも冷たいものにも、季節に関係なく使っていただけます。
食中毒の原因菌の多くが、20℃~50℃前後で活発に増殖すると言われています。中に入れるものをしっかり温める、しっかり冷やすことで、中身をこの温度帯にしないようにしましょう。長時間の保温は中身がぬるくなる危険性があるので取扱説明書に『飲食物はできるだけ早く(6時間以内)一度にお召し上がりください』と記載しています。
Q. 保冷のコツや、入れられるものを教えてください
あらかじめ氷水を入れておくことで予冷ができ、ヨーグルトやゼリーを入れる時はおすすめです。また、お弁当にヨーグルトなどを持っていくときは、中に冷凍フルーツを入れておくと保冷効果が持続します。
レシピの例(サーモス株式会社ホームページより)
グレープフルーツとコンデンスミルクのゼリー
Q. スープジャーに入れないほうが良いものはありますか
生のものや腐敗しやすいものは入れないでください。また、炭酸飲料やドライアイスを入れることは禁止しています。
Q. スープジャーは高さがありますが、食べやすいカトラリーなどはありますか
樹脂製の専用スプーンがあります。底までしっかり届く長さでスープジャーの底に沿う四角い形になっていますので、残さずすくえます。スープジャー専用ポーチにもカトラリーが入る背面ポケットがあるので、ぜひセットで使ってください。
温かいものだけでなく、冷たいものもお弁当に持っていけるスープジャー。季節を問わず活用できそうですね。次回はスープジャーを使ったおすすめメニューについて教えていただきます。
参考文献:サーモス株式会社ホームページ(https://www.thermos.jp/)